2006年06月29日

海が恋しくなりました




これで最後?チベ日記42
サキャーシガツェーラサ


「ふ〜りそっそぐ陽をあ〜びて……新しい旅へとともに出て行こう…お〜しゃん♪」


いやぁ、いいねぇ。男だねぇ。

池沢さ〜ん、死ぬなぁ〜!



サキャでありついた一泊15元の6人部屋ドミトリー。


安い割には清潔でテレビも常備。

迷うことなくCCTV5(スポーツチャンネル)がやってた「ワールドカップ8強への軌跡」に右目と右耳を集中。


さらにたこ足コンセントまであったりしたもんだから、ラサにて購入し何とカイラス巡礼までともにしたDVD「海猿」をわがPower BookG4にインサート。

左目と左耳はそのまま日付変更線を越えるまで海の男たちの専属監視役になったのでした。


全11話のうちたどり着きましたクライマックスも近い第8話。


ここまで見ちゃうと、日ごろから冷静な目で社会を「斬ろう」と心がけてるわたしであってもかなり感情移入してしまうわけで、細かいつっこみはありつつも、


海って結構いいかも。だって夏だし

そういや沖縄に行きたいなあ

あ〜、チベットって一番海から遠いとこにあるんだよなあ

それに「海の高僧」もポタラ宮からインドにいっちゃてもう50年以上たっちゃうわけだし…。


なんて考えてたら山派から海派への転向宣言もかなり間近な風向き。チベ旅もなんだか終わりが見えてきたような気分。



でもね。

昨日までの感動もまた忘れたくない。
だから最後まで全力投球は欠かせない。

本日もシガツェに戻るバスの出発時刻午前11時までは人並み以上に汗を流して観光に精を出すことにいたします。


昨日見たのがサキャ派の伝統の粋がほぼ完璧に残っているサキャ南寺。
で、これから向かうのがサキャ派の伝統の一切合切がほぼ完璧にぶちこわされたサキャ北寺。


南寺からは川を渡ってそのまま山の斜面を約100メートルほど登った地点。


歴史を好きな人って自分も含めて「冷静になれば残酷な趣味だなあ」と思うことがあって、破壊には破壊の、人殺しには人殺しの、さらに滅亡や消滅といったものにまでロマンを感じたりするもんだけど、一般的にいってそこには適度な時間の風化があるわけで…


でもこちらのサキャ北寺の破壊なんてたかだか40年前の出来事。

それなのに見た目なんてグゲ遺跡と同じ。ただただ壁の跡、階段の跡があるのみ。

ここにお寺があったなんて言われなけりゃ絶対分からない。巨大な仏像があったとも精緻な仏画が掛けられていたとも、大勢のが学んでいたとも何一つ証拠を残さない、まるで完全犯罪を狙ったような徹底ぶり。


現在、敷地内では修復作業が緒についたばかり。


30人くらいのチベット人がとりあえず穴を掘ったり土を右から左に運んでいるだけで、いったい何をしようとしているのか、その全体像が見えてくるのはまだだいぶ先になりそう。


それなのに

作業をさぼって(休んで)仲間とおしゃべりしていたチベタン若者男性。完全にわたしを中国人だと思ったようでのっけから中国語で、


「すいません。お金を恵んで下さいませんか」


だって。


日本人だと「恵んでもらうこと」には若干以上に心の抵抗があるわけだけど、チベット人って「ダメで元々。言ってみるだけ言ってみよう」って考え方なのはもう十分知ってるし、実際にチベットではいたるところでそういう声をかけられてきた。


でも、自分たちの心の支えのお寺をここまで完全に壊した側の人間(と彼は思った)に対して、まさに破壊のその地において「お金を下さい」って言っちゃうのはやはり悲しいことでしょう。


「自分で働けるでしょ。怠けたらもっと大切なもんをなくすよ」


そういってあげましたよ。

もちろん、これまでインドだろうと東南アジアだろうとアフリカだろうと、当然チベットでも、一度として「お金は」与えたことがないわたしだから、どんなシチュエーションだろうと財布が開くことはなかったんだけど、ね。



さて、そんな北寺散策も終え、まだ30分近く残っていた時間をさらにどん欲に活用。昨日に引き続いて2度目となる南寺へ。



サキャゴンパ2.jpg

◎参考写真1:「いやぁ、やっぱ寺の参拝は午前中に限るよ」と思った次第ですわ


昨日あれだけ「暗い」「見えない」「見られない」だった寺院内の壁画や小部屋だったのに、東からの太陽がうまい具合に部屋に差し込み、部屋の明るさが昨日午後とは段違い。


さらに地元参拝客が多いこともあって、昨日は入ることができなかった色んなお堂にも入ることができ、そこにはお化け屋敷のような「こわ面白い」壁画や人形が飾られた部屋もあったりなんかで、


さすが宗派総本山ともなるとアトラクション性まで考慮に入れているのか


とうならされるばかり。
ほんと30分の経つのが何と早いことか。


…出発1日延ばそうかな?

でもやっぱ「お〜しゃん♪」見ちゃったしなぁ。やるべきことはすべてやったでしょう


とシガツェ行きのバス。
昨日のウーパールーパーと韓国風女性はすでに着席。
何しにきたの彼女ら?


シガツェまでは約4時間半。

バスターミナルにて1時間強のバス待ちでラサ行きは午後5時50分出発。

そしてラサには午後10時着。


前回北チベットから辿り着いたときとほぼ同じような時間帯。

定宿「ヤクホテル」に荷を下ろすと、道路をはさんだ一軒のツーリストレストランにてピザとビールで乾杯。


ご苦労ピッツァ.jpg

◎参考写真2:それにしてもなぜ「ピザ」なんだろうねぇ。まったく不思議です



前回は旅の連れだった香港人、ダルマ監督と甲斐君40代バージョンと一緒の乾盃。
でも今回は西チベットまで20日近くをともにした旅の連れはカトマンズ、のはず。


だから一人の乾杯。

ピザもビールもそこそこの味だけど、悪くない。

いや、うまい。

幸せだ。
posted by 牧場主 at 00:00| 北京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | またまた旅に出ました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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