これで最後?チベ日記31
カイラス山コルラ(一周トレッキング)
「アジア最強の聖地巡礼」
チベット仏教の聖地、ヒンドゥー教の聖地、ボン教、ジャイナ教でもこれまた聖地と、とにかくいろんな宗教の人たちがあやかりたがるほどに神々しいのがカイラス山(チベット名:カンリンポチェ)。
チベット自治区西部、インド国境からも程近い{アジアのへそ」にあって標高は6656m。
だからこそ、宗教的にさほど熱心でないわれわれにとっても、その山を訪れるのはいわば上記のように「アジア最強の聖地巡礼」という大人のミッションに「済」マークをつけるための大きな壁。
特にわたしにとっては一般大衆にもわかりやすく説明してあげるなら「越すに越されぬ大井川」だったというのは先日の日記のとおり。
そんなよこしまな心を持つ旅人たちにもこの聖山は懐の深さを見せてくれるもの、身をもって知らせていただきました。
カイラスでは山の周り時計回りに巡礼「コルラ」するため、その巡礼路が用意されてまして、走行距離約52キロで標高46705670m。
本日は「山見物」がメーだったんだけど、まるで某スーパーの懐かしき「閉店間際の大セール」なみ、過去数千年間にわたって各宗教関係者も魅了してやまなかったその神々しい姿を惜しげもなく披露してくれたのでした。もうとにかくいろんなカイラススポットを堪能よ。

◎参考写真:どだっ!山好きも海好きも、インドア派だろうがカイラスには白旗
まずはコルラをスタートして2時間。
昨日のうちにたどり着いてたタルボチェ。つい数日前のサガダワの際に張りかえられたばかりのタルチョがおびただしく風にゆられているようすは荘厳。
残念ながら曇り空のためにカイラスは拝めなかったんだけど、それはあくまで昨日の話。
…無人の小屋の中にテントを張らせてもらって迎えた朝。
のっけからの120%のカイラス西面。
とりあえずのスーパーサイヤ人どころか、いきなりフュージョン済で登場するくらいの圧倒的パワー。
その西面を少しずつ角度を変えていき、なめまわすように眺めながら巡礼ルートを北上。
おおよそ8時間で、もっとも偉大な北面に到着。
もちろんこの間の天候は著しくはれ。
カイラス北面を真正面に眺めるゴンパ(お寺)に宿をとり、
「ふう。なんて充実した一日だったんだ」
と思うのはまだ早い。
すでに午後6時を過ぎているとはいえ、地理的にはインドのニューデリーの真上に近い場所。体感時間はまだ午後3時を回ったくらい。
「もう一暴れしてもよろしいんじゃないんでしょうか」
と向かった先は、ずばりカイラス北面。
眺めてるだけじゃ満足できないって?
「いやぁ、ぼく、カイラス北面に触ってきましたよ」
とかつて自慢気に話していたレンイエン(日本の大学復学中?)の言葉をずっとうらやましく思っていたんだもん、だって。
おなじくどうしてもカイラスの氷河が見たいと無言のダダをこねていた氷河研究家のSHUHEIさんといっしょに、今度は南に方向転換、さらに約300mの上りに挑戦したのでした。
すでに標高は5000mを超えていると思われるエリアまでやってきてるわれら。
本当だったら一歩も歩けないくらいに疲れているか、高地の影響で容易に動けないような状態にあってもいいんだけど、なぜかとってもアドレナリンとから元気が体からあふれておりまして、
勾配が40度くらいありそうな斜面を上ったり、氷の川をわたったり…
とにかくひたすらでかくなっていくカイラス山を見るのを心の支えにちんたらちんたら登ってただわけだけど、いかんせん、手前にある丘陵や山の稜線が邪魔をして肝心なカイラス氷河の姿がなかなか拝めない。
「ここいらは完全に氷河が作った地形なんだけど温暖化の影響でどんどん後退してるみたいだね」
とは専門家のご意見。
とにかく、
「つぎのモレーン(堆石)を越えるまで。あの丘の上にたどり着くまで」
と三十路男と五十路男がけなげに互いを励ましながら、とうとう、やってまいりました。
目の前に広がるはカイラス氷河。
カイラスの北面からこんもり、どでんと突き出したその姿は目の前まで迫ってみるとやはり途方もないでかさ。
とりあえず山男の血が騒いでか氷河に上ろうとするSHUHEI
とりあえず酒飲みの血が騒いで缶ビールをあけるMAKOTO
とにかく標高約5300m、あとから到着したTOMも加わって、聖地のなかのこれまた最高の聖地にて、思い思いの時間をすごすことに成功したわれわれだったのでした。
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