2006年01月05日

SAYURIは米流亜式拌飯




「ひどいね」  → 劇場を出る熟年カップルの旦那側
(ひどいね)  → 一時帰国中の自称「永遠の留学生」
     


おそらくこの場所を訪れた理由に何一つ共通点はないであろう2人。


でも2時間半以上に及ぶ「大作(長編)」を見終え、席を立ち、ちょっと前を歩くカップル。そしてわたし。もれてくる言葉は一字一句同じ。傍らの嫁に向かうか、独り言かだけの違い。さらにタイミングまでもばっちりかぶってました。




スクリーンには感動が眠っている


そう教えてくれたのは映画でした。


あれは楽しかったクリスマス。健さんにプレゼントを貰いました。
http://itoyama.seesaa.net/article/11019571.html



じゃあ次は「アジアン・ビューティー」にお年玉もらおうじゃないの。


チャン・ツィイーが日本の芸者を演じたことで、作品以外のところでも愛国者、2ちゃんねらーなどを巻き込んで日中に話題をふりまいてくれてるハリウッド映画「SAYURI〜Memories of a Geisha」。


でも。

過度の期待を無情に裏切るのもまた映画



レイトショー(1200円)でほんとよかった。大人(1800円)で見たとおもうとぞお〜っとしますね。いかがなものでしょう。



貧しさのために置屋に売られた少女が過酷な運命に翻弄されながらも真実の愛に向かって激動の時代を生きていく。


話の筋をたどると、


だれが見るかい


と思う内容ですが、やはり期待するとこがあったわけですよ。


チャン・ツィイーが中国人に人気ないことは知っています。でも日本人にとっては「アジアンビューティー」ですし、健さんが中国を舞台に素晴らしい芝居見せてくれたように、彼女も日本においてどう輝いてくれるのか、と。



本当にキャスティングは映画数作撮れるくらいのメーン揃い。


黄土高原が似合う元三つ編みの女の子も

LAST SAMURAIも

「Shall we dance?」と踊っていた人も

グリーンディスティニーで空飛んでいた人も

劇中あごのしゃくれが気になったコン・リー(これだけ実名)も

ハリウッドデビューおめでとう。東京夜曲が好きな「わたし女優よ」も



SAYURI.jpg

◎参考写真:盗撮です。まあ一枚くらいだから(それがもう四川流→×)


なにせエグゼクティブ・プロデューサーまでスピルバーグだそうです。



「水揚げ」
「旦那」
「花町」

などの専門用語が日本語のままなのは理解できますが、どうして

「こんにちは」
「ありがとう」
「どうも」

のあいさつ系まで日本語のままなんでしょう。


日本人以外の観客でも知ってるような日本語を残してる方が「日本っぽさ」をより表現できる、という演出側の狙いでしょうか。邦画で、


「サンキュー」
「ハァイ」
「ユア・ウエルカム」

だけ英語で喋るようなもの。チャン・ツィイーが不自然に会釈してこういう台詞を口にするたびに、ミスタージャイアンツかシェーのイヤミ氏が交互に思い浮かぶわたしでした。



でもそんなことよりも世界観。
誰も想像できないアナザーワールドこそがこの映画の特徴。


いつ「芸者ガールズ」が出てくるか、オーレン石井(Oren Ishii)が出てくるか。しょせんアメリカ人が描く日本。さらに中国人が日本人を演じるわけですから、「当たり前の評価」をしてはいけないんです。



よくいえば


「ごっちゃごちゃ」


日本があってアメリカがあって中国があって、更に他の東南アジアもあって、舞台設定は第二次世界大戦を夾んだ「SHOWA」なんだけど、今のごちゃごちゃしている各国事情を現しているようで好感を持てます。言うならば、米流亜式拌飯(アメリカ流アジアまぜご飯)。



思い出すのは

「スワロウテイル」(岩井俊二監督、1996年)


いつ見たかは忘れたけど、たぶん大学時代(今もだけど…)。
その世界観には「びっしびし」感じるところがありました。


ブレードランナーやスターウオーズがこの世にいない人たちをまじえた「ごちゃ混ぜ感」でわたし(高校時代)を魅了したのは高校時代。


対する「スワロウテイル」は、日本が舞台の架空近未来世界(イェン・タウン≒東京)で「ごちゃまぜ感」を再現したような作品だったんで、ごっちゃまぜ度の「あり得る感」がかなり高いお話に見えました。


その発展形が「SAYURI」と観るのは「スワロウテイル」ファンに失礼でしょうか(笑)。


スタッフもキャストもごちゃ混ぜで、ついでに評価もこれまでの常識が通じないような作品。


「ハリウッド映画がジャパンマネーばかりでなくチャイナマネーも視野に入れて映画を作るようになっただけ。いわゆる興業目的よ」


というのは簡単。


それより。キャスティングだけでなく言語やスタッフもごちゃ混ぜにして、国籍があるようでないようなあいまい作品が生まれてきた背景。ある一国の観客だけにではなく、世界的な観客に向けて作り出されてしまったこと。時代に応じた新たな変化であることは間違いありません。


この年末年始あたりから特に目につくようになった映画界のボーダーレス化


映画の一ジャンルとしてこの「ごっちゃまぜ」系のフィルムが今後も生まれていくことになるのであれば、そのエポックメーキング的な作品、マニアに愛される作品になるのかもしれませんよ。あの「シベリア超特急」のように(笑)。

posted by 牧場主 at 00:00| 佐賀 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | ちょっと思ったこと。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 現在ロードショー中の映画「SAYURI」(原題「MemoirsofaGeisha」)ハリウッドがおくる、純愛ファンタジー映画です。主演のチャン・ツイィーはそのインタビューの中で、「“美しさ”はその人に..
Weblog: 珍しいモノ☆ヘンなモノ大図鑑
Tracked: 2006-01-24 17:28
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