2008年08月08日

前門いまだ幽霊的城市



オリンピック開幕を直前に控え、中国、とくに北京ではすべての面においてオリンピックを中心に物事が進んでいる印象があって、それは全体主義国家中国の面目躍如といったところ。


新しい地下鉄の開通や料金の値下げ、道路の整備といった市民生活にプラスになることだけじゃなく、治安強化を目的にした地下鉄の荷物検査の強化、流入人口の抑制、排除などなど、とにかく「五輪のために」という旗印のもと、上意下達のおふれがじゃんじゃんと流れてくる。


極端な話、北京の街は一時たりとも同じ姿を留めず、日に日にその姿を変えている印象すら感じるわけですよ。



昨日は昨日で、

「五輪の開幕日は北京の会社や役所はお休みっ!」

というニュースが新聞の一面を飾っていました。おいおい、2日前に発表するようなことじゃないんじゃないの(笑)



さあ、そんな北京における本日の「老百姓(一般庶民)注目ニュース」は

「前門大街開街(前門ストリート改装オープン)」

に尽きるでしょう。


前門大街といえば、


前門1930年.jpg
参考写真:天安門広場の南側を南北に延びる清代末から続く伝統ある通り

で、北京ダックの「全聚徳」や焼売の「都一処」などいわゆる老字号(老舗)も軒を連ねる商業街。


下町の名残りを保ちつつ、バックパッカーにも優しい宿もあったりと、わたし的にも頻繁に利用していた地域なんだけど、およそ2年前から地区再開発の名の元、大規模改装が始まりました。


まずは大通りから派生する無数の胡同(フートン=路地)たちが封鎖、当然そこに住んでいた人たち、商売をしていた人たちは立ち退きを命じられ、封鎖寸前の路地の様子はまさにゴーストタウンでしたな。


そして大通り本体も一年前には「保護修繕」作業が始まり、完全な立ち入り禁止区域となり、オリンピック開幕前日となる本日、ようやくその封印が解かれることとなったのでした。


1920,30年代の通りの様子を忠実に再現、さらにApple Storeも入店という情報も以前ネットで見聞きしていたこともあり、前門を愛する「老百姓」の一人として再会を心待ちにしていたわたしも、その姿を拝みに行ってきたわけです。


前門2008.jpg
◎参考写真:おうおう、にぎにぎしいかぎりですな


全聚徳の前にも都一処の前にも、一条龍羊肉館という羊肉レストランにも長蛇の列。残念ながら「食べ初め」はまた今度にするしかないね


と、ウキウキウォッチングを続けたいところだったのに…



薄っぺらい日本人の予想をやっぱり裏切ってくれるのは、中国やインドを好きになってしまった大きな理由の一つでありまして、一キロ近くはあろうかという前門大街において営業をしていたのは14店。


当然アップルストアも見あたらず。


というかこの14店以外、開店が間に合わなかったとかいう以前の話。


前門2008店.jpg
◎参考写真:開いてる店は繁盛。でもその他建物は通りにびっしり並んではいても中は完全ながらんどう


陳列前の商品や開店準備に追われる関係者の姿もなく、つまりは何の店が入るのかさえ全く分からない。



当日の夕刊紙「北京晩報」によれば、「全体の建物の75%の契約はすでに成立済み」(同地区管理委員会責任者談)ってことらしいんだけど、それにしてはお寒いこと甚だしいんじゃありません?


元々この通りには個人経営の商店なども多かっただけに、賃料高騰による不動産の不良債権化も気になってしまうし、なによりも以前の賑わいを本当に取り戻すことができるのか。


人出自体は午前9時の段階で7000人(同紙)あったとしても、やっぱり街の活気ってのは商売が盛んに行われてこそ生まれてくるものでしょう。はたして本日訪れた人たち、何かに満足して帰ることができたのだろうか。


「人はうじょうじょだけど、いまだにゴーストタウン(幽霊的城市)」

それがわたしの感想でした。



あっ、そうそう。前門大街は人出が1万人を超えると入場制限をするみたいなので、もし興味を持った人がいたら、どうぞお気をつけくださいな(笑)

posted by 牧場主 at 13:02| 北京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | まちかど歩けば新発見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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